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苺の溶液栽培及び親株用ポットの開発

작성자 관리자 등록일 2022. 07. 12 조회수 4653

苺の溶液栽培及び親株用ポットの開発

 

韓国国立、「慶南農業技術院」とHwasung社が共同開発した親株用専用ポットです。

 

今回開発された商品は、既存の苺の溶液栽培用ベンチの問題点を大きく改善し、株を個別のポットに栽培することで、株同士の競争を防げる一方、均一な成長を促すとともに隣接する株からの病気の伝染を防げる効果も期待できます。

 

韓国の苺栽培面積は、2014年12月末現在約6,875haで年間生産量は約21万トンに及び、世界的にも5-6番目の生産量であり、韓国の農産物の中でも大変重要な品目のひとつです。

 

今までの伝統的な苺の栽培方式である土耕栽培方式は、1日中腰を曲げて作業する等、体への負担が大きく(3K)、若者が親の後をつかず農業離れになる大きな原因になったとも言われてます。この様な体への負担を軽減する栽培方式で考案されたのがいわゆる「高設栽培」方式であります。

「高設栽培」方式は、農作業による体への労働負担を大きく軽減してくれる一方で、人工培土等で栽培することで、溶液での効率栽培管理ができるのは勿論、土耕栽培による連作障害も防げることができます。又、栽培環境が清潔に管理されることで雇用人の確保も容易になったとも言えます。

 

韓国の高設栽培は、2000年には約5ha程度でしたが、2015年には約785haに上るほど急激に増えてます。苺全体の栽培面積としては、約11%を占めており、今後更に大きく広がると予想されます。

 

一般的に溶液栽培は、栽培ベンチに、土ではなく人工培土、又は水の桶に入れて栽培する、いわゆる「水耕栽培」方式がありますが、このような栽培方式は頻繫に溶液と水を補給しながら栽培する方法で、既存の土耕栽培方式と比べメリットは多いものの、栽培に必要な施設と設備を準備するのには費用負担が大きいのが一番の問題点でした。

 

高設栽培ベンチは、適正な栽培環境を作るため様々な工夫が必要な設備です。代表的には、ハンモクのように長く一定方向に固定した一体型(写真1)や長方形型の発砲スチロールやプラスチック製の型(プランタ)を(写真2)を繰り返し連結する方式が主流です。

そのベンチ(型)に培土を入れ、潅水ホースや点滴チューブ等を引き、水や溶液を供給して苺を栽培します。

しかし、写真1・2の様な一般的な高設栽培ベンチは、隣接する作物同士の競合で均一な成長を妨げる場合が多く、又ベンチに余計に培土を多く入れる必要があり必然的に培土の所要量が増え、費用の負担も増えるが現状です。

 

培土の量が多い場合、作物を支持する力が大きく、根に供給できる養分、水分、空気の量が多くなり、外部要因による栽培環境変化には安全性はより高くなるメリットはあります。

一方では、培土の量が多い分、栽培者が意図するような養水分の精密な管理が難しく、又長年ベンチの培土を変えず使い続けることで、残存肥料や十分に消毒されずに残った萎黄病や疫病等の土壌伝染性病害を完全に排除できなかったりします。更に、ベンチが一つに繋がってる場合が多く、一つの作物が病気にかかった時、隣接している作物にも簡単に伝染する恐れがあります。

 

この様な問題点を解決する為に個別ポットで精密な溶液供給管理により改善できるかを研究しました。

一般的な高設ベンチの培土量は作物1株当たりに約2ℓを必要としますが、0.45ℓ(23%)、0.22ℓ(11%)に極端に培土量を減らした個別ポットにして、1日溶液供給回数は培土容量2ℓの場合8回(1回当たり59㎖)を、0.45ℓの場合は16回(1回当たり36㎖)、0.22ℓの場合は31回(1回当たり17㎖)とし、より精密に管理した結果、小苗生産量は配置容量2ℓの場合285ℊに比べ、0.45ℓの場合は89%、0.22ℓの場合は84%水準になりました。〈表1,2〉

 

苺の実を生産するための溶液栽培では、作物1株当たり約2ℓに対し、1.0ℓ(50%)、0.5ℓ(25%)とし、極端に培土量を減らした個別ポットを使用し、1日溶液供給回数は培土量2ℓの場合8回(1回当たり59㎖)に対し、0.45ℓの場合は16回(1回当たり36㎖)、0.22ℓの場合は31回(1回当たり17㎖)とし、より精密に管理した結果、苺の生産量は培土量2ℓの場合5,310ℊに対し、1.0ℓの場合は107%増加、又0.50ℓの場合は97%水準になりました。〈表3,4〉

 

この様に、培土量が少ないポット(写真3)を使用した場合でも潅水を精密に管理することで、溶液分の不足現象が発生しないように管理し作物の生産能力はある程度まで克服できることが分かりました。

但し、小さい個別ポットでの栽培の場合は、作物を支持する培土の力が足りないため別に据置台が必要な場合が多く、又個別の潅水スティック等を設置する必要がある等、付加的に費用がかかる場合が多くありました。

 

今回紹介する資材は、上記のような苺の溶液栽培用ベンチの問題点を改善するために開発された物で、個別ポットに多くの作物を植栽するプランタ型ベンチの長所を生かしながら、一方では弱点を補完したものであり、少量の個別ポットをジグザグに配置し通気性を高めながら、ポット当たりの培土量も十分に確保し、作物の均一な成長を促す一方、病害が隣接した作物まで伝染しないように工夫しました。又、費用的にも負担が少ない点滴チューブを用いても十分な潅水ができるよう設計し、効率・効果・コスト削減を実現できることを目的にした商品です。

 

*氏名:ユンへスク 農業博士

*所属:慶尚南道農業技術院園芸研究科

*電話:055)254-1433

*E-mail: yhkhappy@korea.kr

 

(写真1)溶液栽培用ベンチ

(写真2)溶液栽培用ベンチ

(写真3)溶液栽培用ポット

(写真4)植物体植栽(点滴ホース)

(写真5)ポットを利用した溶液栽培

(写真6)ポットに個別潅水スティック

(写真7)新しい概念の苺専用「マルティコップポット」(株)Hwasung社と共同開発し特許出願。

(写真8)苺専用「マルティコップポット」は交差型コップの配列で円滑な通気性を確保し作物に良い環境を提供する。又、底面の内側に突起部分と下面の排水口が繋がり、排水性が優れ、酸素を充分に供給できるのが特徴とも言える。